「あの巨大ひまわりの様に…。 −東海テレビひまわり賞を 受賞して…。−」 曽我部 弘 樹 ひまわり…。 夏の暑いそして目映い陽射しを放つ 太陽をただひたすらに見つめ、その 太陽に少しでも近づこうと高く高く 背を伸ばす花…それがひまわりであ る。私はこの花の名を聞くと中学時 代に技術家庭の授業で校庭の畑に植 えた二十本近くのひまわりを思い出 す。「大きく育つといいね」といい つつ毎日水をやり、時たま友達が「 肥料だ」と言い小便も掛ける事2カ 月…私たちの背は勿論の事、先生の 背もらくらくクリアしついには平屋 建ての校舎の屋根も見下ろす程の巨 大ひまわりに成長…。季節が終わり 伐採や種取りに一苦労した事は今も 良い思い出になっている。そんな思 い出深き花の名前が付けられた「東 海テレビひまわり賞」にこの度推薦 され受賞する事ができました。 身体障害者福祉協会支部長の 五十川さんより推薦のお話を母 を通し聞き、失礼ながらこの賞がど ういう趣旨のものであるか、どれだ け名誉ある賞であるかも解っておら ず、言われるがままに書類を製作し 提出。後日、県の福祉課から「顕彰 の内定が届いた…」という知らせが 入り、本人は「へー」と言う程度の 感想しか持たなかったのだが、五十 川さんにお知らせした処、すごく喜 んで頂き、その時初めてこの賞の重 みを感じる。詳しい内容を知ったの はそれから2〜3日後、東海テレビ から正式な通知を頂きそこには「障 害を克服し社会に貢献した方を…」 と書いてある。「貢献…!?」。正 直な処、私は今まで好きな人達と、 好きな事を、好きな分だけやり続け ているに過ぎず、またその為に迷惑 を掛けている方も少なからずおり、 社会に貢献しているとは決して言え るものではない。一つ言える事はそ う言った人達に支えられ、時に小便 ならぬ叱咤激励を受けながら、自分 が目標に一歩一歩近付こうとしてい 事は実感している。この名誉ある 賞を手にさせて頂いても私には、顕 彰式でのお言葉のように「社会への 貢献」も「他の身障者の模範になる 事」も到底出来そうもない。私に出 来る事は、これからもただひたすら に太陽を見つめ、その太陽に少しで も近づこうと背を伸ばし「あそこに あんな変な奴がおるぞ」と言われつ つも、それが今まで関わって頂いた 方達への感謝の形になれば…と思っ て止まない。そう、あの校庭に咲い た巨大ひまわりのように……。